一人目では慎重になり、親が先回りしていたわが家。三兄弟を育てる中で、同じ声かけでも三人の行動は違うと分かりました。
「本人の変化を待つ」に変わった父親の考えを振り返ります。
はじめに
長男が一人っ子だった頃、私たちはかなり慎重でした。
困らないように手伝い、失敗しないように先回りする。親がつきっきりで面倒を見ることを、丁寧な子育てだと思っていた部分もあります。
今になって考えると、あれは本当に長男のためだったのか。自分で試し、自分で困り、自分で抜け出す機会まで奪っていたのではないか。そう思うことが多々あります。
次男、三男と育てる中で、親の手が足りなくなったのは事実です。ただ、それだけではありません。
子どもには、自分で変わる時期がある。親が動かすより、待ったほうがよい場面もある。三人から教えてもらいました。
結論
一人目、二人目、三人目で、私の考えは「先回りする」から「本人の変化を待つ」へ変わりました。
放っておくという意味ではありません。困ったときに戻れる場所はつくりながら、親が答えを出しすぎないということです。
三人には、同じように「やることはやってしまいなさい」と声をかけます。それでも、次にすることは三人とも違います。
だから、同じ行動をさせることより、自分で今やることを考えられたかを見るようになりました。
わが家の状況
長男が一人っ子だった頃は、親の目も手も一人へ集まりました。
安全を守るために必要な手助けもありましたが、振り返ると、待てば自分でできたことまで手を出していた気がします。
次男が「勉強が大嫌い」と言ったときは、家族で笑いました。そして「それでいい。得意なことを伸ばすのも才能の一つだ」と伝えました。
父親と母親の言葉を別々には記録していません。ただ、家族で否定せずに受け止めたことは、以前の記事にも残しています。
その次男は、あとから勉強を楽しむ時期へ入りました。あの日に無理やり気持ちを変えさせなくても、本人の中で動くものがあったのだと思います。
今、三男は絶賛イヤイヤ期です。それでも、次男にも同じような時期があり、その先で変わった姿を見てきました。
以前より少し、腰を据えて待てるようになっています。
実際にやってみたこと
わが家では、「勉強しなさい」とは、ほとんど言いません。
代わりに言うのが、「やることはやってしまいなさい」です。
「勉強しなさい」では、することが勉強だけになります。「やることはやってしまいなさい」なら、その時間に何が必要かを自分で考えます。
同じ言葉を聞いても、次男は朝の着替えへ向かうことがあります。早起きして身支度をほぼ終えている長男は、勉強を始めます。三男は、ご飯の準備を手伝う日があります。
親が求めたのは一つの行動ではないのに、三人とも自分なりの答えを出します。
この様子を見ると、同じ声かけの結果をそろえる必要はないのだと分かります。
良かったこと
三人目では、子どもが自分で育っていく場面を楽しめるようになりました。
長男の頃は、できない時間が心配でした。今は、できるようになる直前の迷いや遠回りも、成長の途中として見られます。
三男は、兄二人から吸収することが多く、兄たちの同じ頃より学習の進みがかなり早く見えます。
親が教え込んだ結果ではありません。家の中に二人の見本がいて、遊びや会話の中から拾っているものが大きいのだと思います。
子どもの成長機会を親がすべて用意しなくてもよい。これは、長男が一人っ子だった頃の私には、なかなか持てなかった感覚です。
うまくいかなかったこと
正直に言えば、一人目の頃は親が頑張りすぎました。
つきっきりで見ていた分、長男が自分で考える前に口や手を出したこともあります。助けたつもりが、成長の機会を奪っていたかもしれません。
反対に、三人目だから何でも気楽というわけでもありません。
三男の進みが早いと、兄たちが下から追い上げられるように感じる場面が出てきます。三男を褒めることと、兄二人の気持ちを置き去りにしないこと。その両方が必要です。
また、三男はイヤイヤ期の真ん中です。次男にも同じ時期があったと分かっていても、今が難しい時期であることは変わりません。
「三人目だから慣れた」と言い切れるほど、子育ては単純ではありません。
改善したこと
いちばん変わったのは、家庭のルールを固定しなくなったことです。
ルールや習慣の変更は、わが家では日常茶飯事です。子どもが成長すれば、昨日まで合っていた方法が窮屈になることもあります。
そんなときは、妻と話します。誰か一人だけが楽になる変更になっていないか、今の三人に合っているかを確認して、その都度決め直します。
今のところ、長男には続いたのに次男にはまったく合わなかった教材は、あまりありません。教材を替えるより、始める時期や声のかけ方を変えることのほうが多いです。
「前はこうしていたから」ではなく、「今はどうか」を見る。簡単そうで、私にはこれがいちばん難しく、いちばん大事な修正でした。
今日からできること
わが家で意識していることを、五つにまとめます。
本人の変化を待つための5つの確認
- 親が答える前に、本人が動き出す時間を少し残す
- 「勉強しなさい」ではなく、今やることを本人に考えてもらう
- 上の子の同じ頃を、下の子の締め切りにしない
- 下の子の成長が早いときほど、上の子の気持ちも見る
- ルールが合わなくなったら、夫婦で決め直す
待つ時間は、毎回同じでなくてもよいと思っています。朝の支度と休日の遊びでは、親に残っている余裕も違います。
大切なのは、待てなかった自分を責め続けることではありません。手を出しすぎたと気づいた次の場面で、少しだけ待ち方を変えることです。
こんな家庭におすすめ
今回の内容は、次のようなご家庭と共有したいと思っています。
- 一人目の子育てで慎重になりすぎたと感じる
- 上の子の成功体験を、下の子にも当てはめそうになる
- 同じ声かけでも、兄弟の動きがそろわない
- イヤイヤ期の子どもの変化を待つことが難しい
- 子どもの成長に合わせて家庭のルールを変えたい
兄弟の人数や年齢差が違えば、同じ形にはなりません。ただ、親の方法も子どもと一緒に変えてよい。わが家は、三人を育てながらそう思うようになりました。
今後の目標
これからも、いちばん大切にしたいのは「本人の変化を待つ」ことです。
三男のイヤイヤ期を、早く終わらせようとはしません。次男が変わっていった姿を思い出しながら、気長に見ます。
同時に、三男の成長の早さが、兄二人の焦りにつながっていないかも見ていきます。
三男を止めず、兄たちも急かさない。三人それぞれの変化を待つには、親の目が一人だけに寄らないことも必要です。
そして、また家庭のやり方が合わなくなったら、妻と相談して変えます。ルールを守り続けるより、家族の今に合わせて作り直していきます。
まとめ
長男が一人っ子だった頃、私たちはかなり慎重でした。
親がつきっきりで手をかけた一方、自分で試す機会まで奪っていたかもしれません。
次男が「勉強が大嫌い」と言ったとき、わが家は笑って受け止めました。その後、次男は自分の時期に勉強を楽しむようになりました。
今、イヤイヤ期の三男にも、すぐ答えを出そうとはしていません。兄たちから吸収し、自分の速さで進む姿を見守っています。
同じ「やることはやってしまいなさい」という声かけでも、三人の答えは違います。
着替える。勉強する。ご飯の準備を手伝う。三者三様で、それでよいのだと思います。
一人目から三人目まで育てて、私が覚えたのは上手な動かし方ではありません。本人が変わるまで、親が少し待つことでした。
